特別費は毎月いくら必要?一人暮らしの一覧表と挫折しない貯め方

特別費は毎月いくら必要か・一人暮らしの一覧表と貯め方の解説記事アイキャッチ

車検代や家電の買い替え、冠婚葬祭。

毎月の生活費はきちんと回せているのに、毎月ではない出費が来るたびに貯金が削られていく——一人暮らしの家計で、私が長くつまずいてきたのが、この「特別費」でした。

実は、世間で特別費とひとくくりにされている支出には、性質の違う2種類が混ざっています。

本記事では、支出を4つに仕分けるところから始めて、時期と金額が読める支払いは年間一覧表で「予定」に変え、読めない特別費は毎月いくら積み立てるかを考えず、給料から生活費と積立を引いた「残り」を専用口座へ移すだけの貯め方で備える方法を、私の実例つきで解説します。

「年額÷12の積立」に挫折した私も、この方法に変えてから1年、入金は一度も途切れていません。

特別費を把握できれば、一人の家計は急な出費に振り回されなくなります。

貯金を崩さず、老後の蓄えを守る仕組みを、この記事から始めてみてください。

目次

特別費とは?「不定期の固定費」と分けるところから

特別費とは、支払いの時期や金額がはっきりしない、不定期の支出のことです。

家電の買い替え、冠婚葬祭、病気やケガ、引越しなどが当てはまります。

「自動車税や車検も特別費では?」と思った方にこそ、先に結論をお伝えします。

自動車税や車検は特別費ではなく「不定期の固定費」。

この2つを分けて考えることが、備えの出発点です。

家計の支出は、「固定費か変動費か」と「毎月か不定期か」の掛け合わせで、4つに整理できます。

  • 毎月の固定費:家賃・水道光熱費・通信費など
  • 毎月の変動費:食費・日用品費など
  • 不定期の固定費:自動車税・自動車保険料・車検・年会費など。金額はだいたい決まっていて、毎年・2年ごとといった一定の間隔でやってくる
  • 不定期の変動費=特別費:家電の買い替え・冠婚葬祭・病気やケガ・引越しなど。いつ、いくら必要になるかが読めない
家計の支出を固定費・変動費と毎月・不定期の2軸で4分類した図。特別費は不定期の変動費

なぜ分けるのか。

同じ「毎月ではない支出」でも、性質がまったく違うからです。

不定期の固定費は、時期も金額もほぼ読めるので「予定」にできます。

一方の特別費は、予定の立てようがありません。

世間の「特別費一覧」にはこの2種類が混ざって載っていることが多く、まとめて同じ方法で備えようとすると、どこかで無理が出ます。

私の場合はこう仕分けられました。

  • 不定期の固定費:自動車税(毎年5月)/自動車保険料(毎年)/賃貸住宅の火災保険料/車検(2年ごと)/夏冬のタイヤ交換(毎年3月と12月)
  • 特別費:家電の買い替え/冠婚葬祭/医療費/帰省費用/タイヤの購入

同じタイヤでも、置き場所は2つに分かれます。

夏用と冬用を入れ替える作業は毎年3月と12月と決まっているので「不定期の固定費」。

一方、タイヤそのものは消耗品で、いつか買い替えが必要になりますが、その時期は読めません。

だから購入費は「特別費」です。

同じ品目でも、時期と金額が読めるかどうかで置き場所が変わる——これがこの分類の考え方です。

この分類は、私が家計管理系のYouTube動画で学んだ考え方です。

それまでの私は、この2つをまとめて「なんとなくボーナスで払うもの」と捉えていました。

区別を知ってから、備え方がはっきり変わりました。

まずは自分の支出をこの4つに仕分けるところから始めてみてください。

いーしげ

ボーナスが入っても、車検や税金でどこかへ消えていく。そんな感覚がずっとありました

この章の論点
  • 支出は「固定費/変動費 × 毎月/不定期」の4つに分かれる
  • 特別費は不定期の変動費だけ。自動車税・車検は不定期の固定費

特別費と混ざりやすい「不定期の固定費」は一覧表で予定にできる

2×2に仕分けたら、先に片付くのは「不定期の固定費」のほうです。

不定期の固定費は、年間一覧表にしてしまえば不意打ちの出費ではなくなります。

時期も金額もほぼ決まっているのだから、書き出せばただの「予定」に変わるからです。

世間で配られている「特別費一覧表」には、この不定期の固定費と本来の特別費が混ざって載っていることがよくあります。

でも、一覧表がその力を発揮するのは、時期と金額が読める不定期の固定費のほう。

まずはこちらだけを表にします。

私の一覧表は次のとおりです。

単身の場合は項目が少なく、私はほぼ車関連でした。

項目時期
自動車税毎年5月
自動車保険料毎年(年払い)
賃貸住宅の火災保険料毎年
タイヤ交換(夏⇄冬)毎年3月・12月
車検2年ごと(次回は来年4月)

金額も分かる範囲で入れておきます。

今年5月に払った自動車税は34,500円でした。

来年4月の車検は約150,000円を見込んで、いま準備を進めています。

ここまで書けたら、もう「急な出費」ではありません。

「毎年何を払っているか思い出せない」という場合は、家計簿アプリの記録が役に立ちます。

私はマネーフォワードMEを1年以上使っていて、毎年の支払いはアプリの履歴でそのまま確認できます。

1年分の記録があれば、自分のお金の流れは統計として見えるようになります。

不定期の固定費は一覧表で予定に変える。

ここまでで、毎月ではない支出の半分は解決です。

残るのは、一覧表に書けない本来の特別費——ですがその前に、多くの人がつまずく「毎月いくら積み立てるか」の話をさせてください。

この章の論点
  • 不定期の固定費は年間一覧表で「予定」に変わる
  • 毎年の支払いはマネーフォワードMEの1年分の記録で洗い出せる

特別費は毎月いくら積み立てる?「年額÷12」で私が挫折した理由

特別費として毎月いくら用意すればいいのか。

家計の教科書的な答えは決まっていて、「年間の特別費を書き出して合計し、12で割った額を毎月積み立てる」です。

家計メディアでは年間50万〜60万円、毎月4〜5万円という目安もよく紹介されています。

ただ、この目安は子どもの行事や家族旅行を含む、家族世帯を前提にした数字です。

一人暮らしにはそのまま当てはまりません。

そしてもっと根本的な問題があります。

「年額÷12」の割り算が成立するのは、年額が計算できる支出——つまり不定期の固定費だけです。

前の章で書いたとおり、自動車税や車検なら年額を合計できます。

この部分に定額積立は有効です。

でも、本来の特別費はどうでしょうか。

家電がいつ壊れるか、冠婚葬祭がいつ入るか、医療費がいくらかかるか。

時期も金額も読めない支出には、そもそも「年額」が存在しません。

目標額が立てられないのだから、割り算は最初から始められないのです。

世間の一覧表が2種類を混ぜたまま「合計を12で割りましょう」と教えるところに、この方法のつまずきの種があります。

年額÷12の積立が成立するのは不定期の固定費だけで、時期も金額も読めない特別費には成立しないことを示す対比図

実際、見直し前の私はここで挫折しました。

当時は目標額固定型——目標額を決めて、毎月の入金額をそのつど調整する方式でした。

読めない出費が挟まるたびに計算は狂い、月々の残り具合を見ながら、今月は多め、来月は少なめと考える工程がだんだん重くなり、入金そのものが後回しになっていきました。

挫折の原因は、意思の弱さではなく「毎月考える」という仕組みのほうにありました。

考えなくても貯まる形に変えたら続いた——それが次の章で書くフロー型です。

いーしげ

今月はいくら入れよう…と電卓を出すのが、少しずつ面倒になっていきました

この章の論点
  • 「年額÷12」が成立するのは年額が読める不定期の固定費だけ
  • 特別費には目標額が立てられず、毎月考える方式は続かない

フロー型に変えたら続いた|貯め方は「残りを移すだけ」

挫折した私が行き着いた貯め方は、拍子抜けするほど単純でした。

毎月の給料から生活費とNISAの積立を引いて、残ったお金を全額、特別費の口座へ移すだけ。

私はこれを「フロー型」と呼んでいます。

式にするとこうなります。

毎月の収入 − 毎月の生活費 − NISA積立(月5万円) = 残り → 特別費口座へ

式の中の「毎月の生活費」に入る私の実額は、8ヶ月平均で約28万円です。

13項目の内訳は次の記事で公開しています。

一人暮らしの生活費の内訳|40代独身が8ヶ月測った実額は月約28万円

毎月の収入から生活費とNISA積立月5万円を引いた残りを特別費口座へ移すフロー型の式
毎月の入金はこの式だけ。「いくら入れるか」を考える工程がない

ポイントは、「いくら入れるか」を考える工程をなくしたことです。

目標額固定型では、毎月の入金額を自分で決めて調整する必要がありました。

フロー型では決めることが何もありません。

残った分が、多い月は多く、少ない月は少なく、自動的に貯まっていくだけです。

「それだと計画的に貯まらないのでは」と思われるかもしれません。

実際は逆でした。

毎月考える方式は、考えるのをやめた月に入金も止まります。

考えない方式は、止まりようがありません。

私はフロー型に変えてから1年、入金が途切れたことはありません。

移す先は、生活費とは別に作った特別費専用の口座です。

私は住信SBIネット銀行(現・ドコモSMTBネット銀行)の目的別口座を使って、生活費と分けて管理しています。

口座の仕組みと3つの枠の使い分けは、別の記事で詳しく書いています。

なお、この口座からは特別費だけでなく、不定期の固定費(自動車税・車検など)も払っています。

頭の中では2つを区別し、財布は1つにまとめる。

概念の区別と口座の兼用は矛盾しません。

一覧表の予定も予定外の出費も出どころを一つにしておけば、「どの財布から払うか」を迷うこともなくなります。

いーしげ

考えるのをやめたら、貯まるようになった。仕組みって不思議です

この章の論点
  • 貯め方は「収入−生活費−NISA積立=残り」を特別費口座へ移すだけ
  • 「いくら入れるか」を考える工程がないから続く

それでも足りない時のために|今後3年の書き出しとボーナス併用

フロー型で貯めていても、「大きな出費が重なったら足りるのか」という不安は残ります。

その備えとして私がやっているのは、今後3年間で出費がありそうな項目を書き出して、お金に用途の目星をつけておくことです。

時期も金額も読めないのが特別費——と書いてきましたが、まったく手がかりがないわけではありません。

たとえば家電なら、使用年数から「そろそろ」の見当はつきます。

ぼんやりした「いつか」を「3年以内に来そうか」まで絞り込むのが、この書き出しの狙いです。

私は家電の買い替えを、10年を目安に検討することにしています。

いま持っている家電で3年以内に10年へ達するのは洗濯機だけ。

だから私の書き出しリストは、実質この1行です。

項目想定時期準備の目安
洗濯機の買い替え3年以内(使用10年到達)現時点の相場で概算(毎年見直し)

準備の目安は、いまの相場で立てた概算です。

家電の相場は1年経てば大きく変わるので、この金額はあくまで現段階の価格として捉え、毎年の見直しのタイミングで、その時点の相場から概算を立て直します。

リストの見直しと相場の見直しをセットにしておけば、目安が古びることもありません。

今後3年の特別費書き出しリストの型。項目・想定時期・準備の目安の3列で管理し年1回見直す

一人暮らしの書き出しは、これくらい短くて構いません。

冠婚葬祭や医療費のように書き出しようのない項目は、無理にリストへ入れず、フロー型で貯まっていく残高そのものを受け皿にします。

もうひとつ大事なのは、書き出しリストは一度作ったら終わりではなく、年に1回は見直すことです。

家電の使用年数は毎年1年ずつ進みますし、暮らしが変われば「3年以内に来そうな出費」も入れ替わります。

私も年に1回、リストを開いて項目と時期を更新することにしています。

作りっぱなしのリストは古い予報と同じで、見直してこそ備えとして機能します。

準備の原資は、フロー型の「残り」からそのまま積んでいきます。

書き出した項目が大きく、毎月の残りだけでは間に合いそうにない場合は、ボーナスから一部を特別費口座へ回す方法もあります。

私も車検のような大きめの支払いの前は、ボーナスを併用しています。

ひとつ線引きをしておくと、特別費の備えと生活防衛資金は役割が別です。

特別費口座は「生活を続けながら払う出費」の受け皿、生活防衛資金は「収入が止まるような非常時」の最後の砦。

特別費を特別費口座で受け止められれば、生活防衛資金を取り崩さずに守り切れます。

この章の論点
  • 今後3年の書き出しリストで大きな出費に目星をつけ、年1回見直す
  • 特別費口座で受け止めれば、生活防衛資金を取り崩さずに済む

まとめ

最後に、本記事の要点を振り返ります。

  • 支出は「固定費か変動費か × 毎月か不定期か」の4つに分かれ、特別費は不定期の変動費だけ
  • 自動車税や車検は「不定期の固定費」。年間一覧表にすれば予定に変わる
  • 時期も金額も読めない特別費に「年額÷12」は成立しない。目標額のいらないフロー型(収入−生活費−NISA積立=残りを移すだけ)なら続く
  • 今後3年の書き出しリストで大きな出費に目星をつけ、年に1回見直す

今日からできる最初の一歩は、手元の支出を4つに仕分けてみることです。

仕分けさえ済めば、あとは一覧表とフロー型が働いてくれます。

この配分に正解はなく、ご自身のやりやすい方法で構いません。

一人でも特別費を把握することで、家計管理を行い、老後の蓄えに備えることができます。

いーしげ
氷河期世代として、非正規雇用や一人老後の不安と向き合ってきました。

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