出向で給料はどうなる?在籍出向4年目の給与・賞与・昇給の実態

出向で給料はどうなる?在籍出向4年目の実態

出向の内示を受けて、最初に頭に浮かぶのは給料のことではないでしょうか。

私もそうでした。

出向で給料はどうなるのか。

下がるのか、どこから振り込まれるのか、賞与は出るのか。

ネットで調べても出てくるのは会社側の解説ばかりで、出向した本人の話はほとんど見つかりません。

この記事では、出向の給料の仕組みと、実際に出向した私の給与・賞与・昇給・手当がどうなったかを書きます。

私は親会社から建設会社へ在籍出向して4年目で、明細を4年分見てきました。

結論から言うと、給料は下がりませんでした。ただ、これから伸びる余地は断たれました。

読むと、在籍出向と転籍出向で給料の決まり方がどう違うか、給料がどこから出ているか、下がる・上がるのはどんなときか、そして内示を受けたときに給料で確認すべき4項目が分かります。

出向が決まった人、打診されそうな人に、先に知っておいてほしい話です。

目次

出向で給料はどうなる?在籍出向は出向元基準が原則

在籍出向と転籍出向で給料の決まり方が違う

出向で給料がどうなるかは、出向の形で決まります。

在籍出向なら給料は出向元の基準のまま、転籍出向なら出向先の給与体系に変わる。

これが原則です。

理由は雇用契約の置き場所にあります。

在籍出向は、出向元との雇用契約を残したまま出向先で働く形です。

給料を決める規程は雇用契約に紐づくので、働く場所が変わっても、基本給の決まり方は出向元のものが使われます。

一方の転籍出向は、出向元との契約を終えて出向先と新しく契約を結ぶ形です。

給与規程も出向先のものに切り替わるため、出向先の水準が低ければ給料は下がり、高ければ上がります。

在籍出向と転籍出向で給料の決まり方がどう違うかの比較図

私の場合:基本給は出向元の規程のまま据え置き

私は在籍出向です。

4年前に親会社(=出向元)から建設会社へ出向しましたが、雇用契約は出向元に残ったままでした。

基本給は出向元の規程どおりで、出向の前後で据え置かれています。

金額の話を先に言えば、月々の手取りは出向で変わりませんでした。

内示を受けた日に、最初に浮かんだのはこれでした。

いーしげ

出向って、給料どうなるんだろう

ただ、この「変わらない」は基本給の話です。

賞与、昇給、手当は別の仕組みで動いていて、そちらは出向で変わりました。

H2-3で順に書きます。

出向の仕組みそのもの、つまり出向の期間や人選がどう決まるかは、別の記事に書いています。

その期間が私の場合どう推移してきたかは、出向期間は何年まで?在籍出向4年目、満了半年前でも何も伝えられない現実に書きました。

出向の給料はどこから出る?どっちが払うかは社員には見えない

支払元は出向元でも、負担は会社間の契約で決まる

出向の給料は「誰が払うか」と「誰が負担するか」が別の話です。

明細の支払元は雇用契約のある出向元でも、その費用を最終的にどちらの会社がどれだけ持つかは、会社間の契約で決まります。

在籍出向では、出向元が給料を支払い、出向先が出向負担金として費用を出向元に渡す形が一般的とされています。

出向先が直接支払う形もあります。

負担金の額は、出向先が受け取る労働の対価として決めるので、本人の給料と同額とは限りません。

「出向負担金が給与より多い」「ピンハネ」と検索されるのは、この差が目につくからです。

ただ、負担金は会社同士のお金のやり取りで、本人の給料はあくまで出向元の規程で決まります。

負担金が多くても少なくても、明細の数字は動きません。

私の明細に出向先の名前は出てこない

私の明細に、出向先の名前は出てきません。

支払元も、控除の項目も、出向前と同じ出向元のものです。

出向元と出向先の間で費用をどう分けているかは、社員の立場では知りようがなく、聞いたこともありません。

4年経った今も分からないままです。

社員から見えるのは「どこから振り込まれるか」までで、「どっちが負担しているか」は見えない。

ここを知りたくて検索しても、答えは就業規則ではなく出向契約書の中にあります。

出向で給料が下がる・上がるのはどんなとき|手当・賞与(ボーナス)・昇給・評価

一般論:給料が下がるケース・上がるケース

基本給が変わらなくても、出向で動くものは3つあります。

賞与の査定、昇給、そして手当です。

私の給料は下がりませんでした。

ただ、賞与の査定と昇給で「これから伸びる余地」がなくなり、出向を理由に足される手当もありませんでした。

一般論から書きます。

在籍出向で給料が下がるのは、出向先の給与水準や勤務条件に合わせる取り決めがある場合と、役職手当や住宅手当などの手当が出向先の規程に変わる場合です。

逆に上がるのは、出向手当が付く場合や、出向先の水準が高く差額が補填される場合です。

どちらも会社の制度設計と出向契約の内容で決まるので、出向と聞いただけでは上がるか下がるかは分かりません。

なお、出向で給料が下がるときに本人の同意が要るかどうかは、労働条件の不利益変更として労働契約法に沿って判断されるのが一般的とされています。

ここは会社と本人の合意内容で結論が変わるので、一般論として触れるにとどめます。

在籍出向4年目の私の4項目

私の4年目の実態は、項目ごとに見ると次のとおりです。

在籍出向4年目の私の基本給・賞与・昇給・手当がどうなったかの一覧表

基本給は据え置きです。

出向前と同じ出向元の規程で決まっています。

賞与は出向元から支給されます。

ただ、査定をするのも出向元で、評価の主な軸は出向元の利益にどれだけ貢献したかです。

出向者は出向先で働いているので、出向元の利益には構造的に貢献できません。

結果、査定は出向者全員が最低評価になります。

誰かの働きが悪かったからではなく、仕組みとしてそうなっています。

昇給はベースアップだけが適用されます。

これも出向者全員に共通です。

能力や成果に応じた昇給はなくなり、給料が上がるのは会社全体の賃上げがあった年だけになりました。

手当は、出向手当がありません。

これも出向者全員に共通です。

通勤が片道10分から1時間30分になりましたが、出向を理由に加算される手当はなく、付くのは通勤手当だけでした。

通勤手当は出向前と同じ規程で支給されています。

賞与の明細を見て、査定欄で止まりました。

いーしげ

ここは、何をしても変わらないのか

「下がらなかった」の裏側:伸びる余地が断たれた

つまり、私の出向は「給料が下がる出向」ではなく、「給料が伸びなくなる出向」でした。

基本給は守られている。

ただ、賞与の査定も能力昇給も、本人の働きでは動かせない。

下がらないから大丈夫だと思っていると、数年後に同期との差として見えてきます。

このあたりを出向の内示を「リストラの始まりだ」と感じた経緯は、別の記事に書いています。

転籍したら給料は下がる?出向先社員との待遇差を間近で見た

転籍すると給料は出向先の給与体系になる

在籍出向で守られていた基本給は、転籍すると守られなくなります。

転籍は出向先と新しく雇用契約を結ぶことなので、給料は出向先の給与規程で決まります。

出向先の水準が出向元より低ければ、その差がそのまま給料に出ます。

同じ職場で見た月給の差

この差は、在籍出向中に間近で見えます。

出向先には同じ仕事をしている出向先の社員がいて、待遇はその会社の規程です。

私の職場では、出向先の社員の月給は出向元の水準より約5万円低く、しかもみなし残業20時間が込みでした。

同じ現場で同じ業務をしていても、明細の中身は会社の違いで決まります。

在籍出向のうちは出向元の規程で守られているので差は表に出ませんが、転籍した瞬間にこちら側の規程に移ります。

だから、出向が長くなって転籍の打診を受けたとき、判断材料の中心はこの差になります。

転籍を選ぶ理由があるなら別ですが、給料の面だけで見れば、在籍出向から転籍への移行は、守られていたものを手放す選択です。

出向先の社員の給料を知っていることは、転籍を判断するときの最大の材料になります。

私自身が転籍をどう考えたかは、出向先に転籍する場合の見方と、転籍を断る場合の見方に分けて書いています。

出向の内示を受けたら給料で確認する4項目

確認するのは給与規程・賞与・昇給・手当

出向の内示を受けたら、給料について確認するのは次の4項目です。

基本給だけ聞いて安心せず、賞与・昇給・手当まで聞いておくと、数年後の差に驚かずに済みます。

  1. 給与規程:どちらの会社の規程が適用されるか(在籍出向なら出向元のはずだが、出向先の条件に合わせる取り決めがないか)
  2. 賞与:支給元はどこか、査定は誰がどの基準で行うか(出向者の評価が出向元基準のままだと、構造的に低くなる場合がある)
  3. 昇給:能力や成果に応じた昇給が出向中も続くか、ベースアップだけになるか
  4. 手当:出向手当の有無、通勤手当の扱い、役職手当などが出向先の規程に変わらないか
出向の内示を受けたら給料で確認する4項目(給与規程・賞与・昇給・手当)

私が内示のときに聞いたのは「給料は変わりません」まで

私が内示を受けたとき、聞いたのは「給料は変わりません」という一言まででした。

基本給の話としては正しかった。

ただ、賞与の査定と昇給がどうなるかは聞かないまま出向し、1年目の賞与明細で知りました。

聞いていても結果は変わらなかったと思いますが、少なくとも「知らなかった」という形にはならなかったはずです。

いーしげ

聞いておけば、驚きはなくなる

結果を変えられなくても、知ったうえで出向するのと、知らずに出向するのは違います。

4項目の答えが揃えば、出向を受けるか、断るかを検討するか、出向中に次を探すかの判断ができます。

出向を断る場合の考え方と内示時の確認事項と、出向中に転職活動を進める場合の動き方は、それぞれ別の記事に書いています。

まとめ|出向の給料は「下がるか」より「伸びるか」を見る

出向と給料の関係を整理します。

在籍出向なら給料は出向元の基準のまま、転籍出向なら出向先の給与体系に変わります。

給料をどちらの会社が負担しているかは会社間の契約で決まり、社員からは見えません。

基本給が変わらなくても、賞与の査定、昇給、手当は別の仕組みで動きます。

私の場合、出向者は一律で査定が最低評価になり、昇給はベースアップだけになり、出向手当はありませんでした。

転籍すれば、出向先の社員と同じ水準になります。

次にやることは一つです。

内示を受けたら、給与規程・賞与・昇給・手当の4項目を聞いてください。

結果が変わらなくても、知ったうえで判断できます。

給料の仕組みを先に知っておけば、出向の内示に振り回されず、自分で判断できます。

いーしげ
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