「転職したほうがいいのは分かっている。でも、動けない」
そんな状態のまま、何年も経っていませんか。
実は私も、そうやって20年以上が過ぎました。
その間に、勤務先の清算による転籍、事業買収、出向と、3回の組織変更に翻弄されました。
収入源は会社だけなのに、生活費も貯蓄額も把握していない。
いま思えば、完全な会社依存の状態でした。
でも、この記事は「だから転職しよう」という話ではありません。
お伝えしたいのは、動けない期間は、備える期間にできるということです。
この記事では、備えないまま翻弄された私の後悔をもとに、転職しない(できない)期間にやるべき備え3つ(生活費の見える化・少額からの資産形成・外の選択肢の確保)を、実体験ベースで紹介します。
読み終える頃には、動けない時間の使い方が具体的に見えているはずです。
会社依存とは?収入も生活も会社任せだった私の状態
会社依存とは、収入・スキル・生活設計のすべてを勤務先1社に預けている状態のことです。
なぜなら、自分は何も変わらなくても、会社が変わった瞬間に人生の前提が丸ごと揺らぐからです。
給与も、退職金も、毎日の仕事内容も、すべての決定権が自分の外側にあります。

実際に私の勤務先では、買収後の人件費削減で「主任」という役職そのものが廃止されました。
課長より下は全員が一般社員という扱いになり、それまで主任だった人たちは、ある日を境に役職を失ったのです。
給料は抑えられ、生活設計の大きな変更を迫られた人もいました。
本人の働きぶりは何ひとつ変わっていないのに、会社の決定ひとつで…です。
皆さんは会社依存になっていないでしょうか。
下記に当てはまるか、確認してみてください。
- 収入源は今の会社の給与だけ
- 毎月の生活費がいくらか、即答できない
- ボーナスや退職金の計算式を知らない
- 転職サイトに登録したことがない
いーしげ全部当てはまっていたのが、昔の僕です。しかも当時は、それを危険だとすら思っていませんでした。
会社依存そのものは、悪ではありません。
終身雇用が当たり前だった時代には、会社に人生を預けることは、むしろ合理的な選択でした。
しかし今は、その前提が崩れています。
終身雇用は事実上崩壊し、定年までの会社生活は誰にも保障されなくなりました。
時代が変わったのに、「会社に任せておけば大丈夫」という感覚のまま無防備でいること。
それが本当の問題です。
まずは自分の依存度を自覚すること。
それが備えの出発点になります。
会社依存の危険に気づいた瞬間|組織変更3回の実体験
会社依存の危険は、ある日突然、向こうからやってきます。
私の場合、それは勤務先の清算でした。
20代を非正規雇用で過ごし、35歳でようやく正社員として入社した会社。
その会社が入社からわずか2年ほどでなくなり、グループ会社への転籍を経験したのです。
このとき初めて気づきました。
会社が「ある」ことは、当たり前ではないのだと。
非正規時代の「次の契約があるか分からない」不安から、正社員になってやっと解放されたはずでした。
それなのに、今度は会社そのものが消えたのです。
しかも、組織変更はこの1回では終わりませんでした。
その後、事業買収で親会社が変わり、ボーナスの計算式や福利厚生といった生活の土台が、会社都合で次々に書き換わっていきました。
さらに数年後には出向を経験し、職種まで変わることになります。
この3回の組織変更で給与明細の社会保険料がどう動いたかは、独身の社会保険料は高い?組織変更3回の私が切り分けたに詳しく書いています。



「会社は裏切らない」と思っていたわけではないんです。裏切る・裏切らない以前に、会社そのものが消えたり別物になったりするなんて、想像すらしていませんでした。
振り返って一番悔しいのは、組織変更そのものではありません。
翻弄されている間、何の備えもしていなかったことです。
生活費を把握していれば、転籍条件を冷静に比較できたはずです。
資産があれば、心の余裕が違ったはずです。
外の選択肢が見えていれば、「ここにいるしかない」という思い込みから、もう少し自由でいられたと思います。
だからこの記事では、あの頃の自分に伝えたかった備えを3つ、順番に紹介していきます。


転職しない期間にやるべき備え① 生活費の見える化
最初の備えは、毎月の生活費を把握することです。
理由はシンプルで、「月いくらあれば生きていけるか」が分かると、漠然とした不安が具体的な数字に変わるからです。
数字が分かれば、組織変更で待遇が変わったときも、万一収入が途切れたときも、判断の基準を持てます。
私の場合は、家計簿アプリのマネーフォワードMEに銀行口座とクレジットカードを連携して、お金の流れを自動で見える化しました。
最初に分かったのは、「思ったより使っている」という現実です。
毎月の通信費、積み重なっていた食費、そして保険やガソリン代といった車の諸経費。
把握する前の想定と、実際の支出には項目ごとに差がありました。
ただ、見える化の目的は節約そのものではありません。
自分の生活の「原価」を知ることです。
原価が分かれば、貯蓄や資産形成の計画も、「あと収入がどれくらい必要なのか」を考えるときの年収ラインも、すべてここから逆算できます。
生活費の見える化の具体的な手順は、こちらの記事で詳しく紹介しています。
転職しない期間にやるべき備え② 少額からの資産形成
2つ目の備えは、資産形成を始めることです。
転職しない(できない)期間は、収入経路が今の会社一本ということでもあります。
だからこそ、会社の外に、少しずつでも自分の資産を置いていくことが備えになります。
会社に何が起きても、積み上げた資産は自分のものだからです。
一般に、NISAのような少額から始められる積立制度もあり、資産形成のハードルは以前より下がっています。
私の場合は、会社の企業型DCを自分で運用する切り替えをしたことが入口になり、その後SBI証券でNISA口座を開いて、積立を続けています。
金額の大小は、最初は重要ではないと私は考えています。
「収入源は会社だけでも、資産は自分で育てられる」という感覚を持てたこと自体が、会社依存の不安を和らげてくれました。
皆さんも、ご自身の家計に負担のない範囲で始めてみてはいかがでしょうか。
SBI証券で実際に口座開設する手順と、4年使った本音の実感は、こちらの記事にまとめています。
→ SBI証券4年目の本音レビュー|いま口座開設する手順も解説
なお、収入源を増やす手段としては副業という選択肢もありますが、私はまず家計の把握と資産形成から始めることをお勧めします。
順番として、支出と資産を固めるほうが先だと考えたからです。
老後資金の考え方は賃貸・独身の老後資金の記事で、NISAを40代から始める是非については積立NISAを40代から始めた話で詳しく書いています。
転職しない期間にやるべき備え③ 外の選択肢の確保
3つ目の備えは、外の選択肢を「見える状態」にしておくことです。
転職しないと決めていても、転職市場が見えているのと見えていないのとでは、心の自由度がまったく違います。
選択肢があると知っているだけで、「ここにいるしかない」という追い詰められ方をしなくて済むからです。
やることは2つだけ。
1つ目は、転職サイトへの登録です。
私も最初の一歩は、リクナビNEXTに登録して、求人を眺めることからでした。
登録したからといって、応募する必要はありません。
「転職」と「転職活動」は別物で、登録は転職の決断ではないからです。
自分の年代・職種でどんな求人があるのか、相場観が分かるだけで意味があります。
2つ目は、職務経歴の棚卸しです。
これまでやってきた仕事を書き出してみると、「自分には何もない」という思い込みが、案外そうでもないと気づけます。
私も「職種が変わった自分に、語れる経歴などない」と思い込んでいました。
しかし実際には、転籍や出向の前後で共通する業務改善の軸が、私の経歴には通っていたのです。



登録した日に何かが変わったわけではありません。でも「出口はある」と分かっただけで、不安がだいぶ軽くなりました。
「辞めずに登録だけ」という最初の一歩と、「転職」と「転職活動」を分けて考える方法については、こちらの記事で詳しく書いています。
まとめ|会社依存に気づいた日が、備えを始める日
この記事では、転職しない(できない)期間にやるべき備えを3つ紹介しました。
- 生活費の見える化:自分の生活の「原価」を知る
- 少額からの資産形成:会社の外に、自分の資産を育てる
- 外の選択肢の確保:登録だけ・職務経歴の棚卸し
どれも、会社を辞めずに今日から始められることばかりです。
私は3回の組織変更に翻弄されてから、ようやくこの順番にたどり着きました。
備えが整ってくると、不思議なもので、少しずつ「動く」ことも考えられるようになります。
実際に私が出向中に転職活動へ踏み出せたのも、この備えがあったからでした。
動けない時間は、無駄な時間ではありません。
会社依存に気づいた今日が、備えを始めるいちばん早い日です。
まずは家計簿アプリを入れて、今月の生活費を眺めることから始めてみてください。
口座開設が気になった方は、4年利用者のレビューと現行手順の記事へどうぞ。












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